増子直純さんは今年58歳になる。「70歳までは全力で、ヌルくならずにやっていきたいと思ってる」(撮影/品田裕美)

――この曲の「人生の大サビに乗って 決戦の地へ!」というフレーズも印象的でした。

俺、今年で58歳になるんだよ。矢沢永吉さんを見てると「70過ぎてもやれるのかな」と思ったりするけど、永ちゃんは超人だから。まあ、がんばっても70歳かなと思うと、あと12年。そこまでは全力で、ヌルくならずにやっていきたいと思ってる。今回の(メンバー)解雇によって、いろんなことをさらに研ぎ澄ませないといかんなと。まだやりたいこと、できてないこともいっぱいあるしね。それは大きい会場でやりたいとか、もっと売れたいということではなく、やっぱり曲。歌いたいことはまだまだあるから、それを形にしていきたい。ネタに困ることはないし、生きてたらいろんなこと思うでしょ。特別なものを作ろうとすると無理が出るだろうけど、歌なんて特別なもんじゃないし、日々の生活から生まれるものだから。

――これからは体調管理も大事ですね。

あんまり特別なことはやってないんだけどね。ライブの前に呼吸筋のトレーニング器具を使うくらいかな。タバコはとっくの昔にやめたし、酒もあんまり飲まなくなったし。二日酔いになると、次の日がもったいないでしょ。俺はゲームも好きだけど、飲みながらやったりしないんだよ、めちゃくちゃ真剣にやらないと面白くないから。何でもそうだと思うよ。

(取材・文/森朋之)

増子直純(ますこなおずみ)/1984年にロックバンド怒髪天を結成、ボーカルを務める。一度見たら忘れられないエモーショナルなライブスタイルで観客を魅了し、2014年1月に行なった結成30周年の日本武道館公演ではチケット完売に。以降もバンド活動を精力的に続けるかたわら、『スッキリ』(日本テレビ系)のマンスリーMCや、NHK大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』、『季節のない街』(動画配信サービスDisney+)など宮藤官九郎さんが手がける作品に出演する俳優としても活躍。楽曲提供、TVCM、映像/舞台作品と活躍の幅を広げている。過去にはゲーム専門誌で連載コーナーを持つ程ゲームへの造詣も深く、また、お宝鑑定団へ出演する程の生粋の「ヘドラ」コレクターでもある。2024年3月7日から怒髪天「ザ・リローテッド TOUR 2024」を開催。

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森朋之

森朋之

森朋之(もり・ともゆき)/音楽ライター。1990年代の終わりからライターとして活動をはじめ、延べ5000組以上のアーティストのインタビューを担当。ロックバンド、シンガーソングライターからアニソンまで、日本のポピュラーミュージック全般が守備範囲。主な寄稿先に、音楽ナタリー、リアルサウンド、オリコンなど。

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