>>前編「文章が苦手だからこそ書き始めたエッセイが一晩で数百万人に拡散 潮井エムコとは何者なのか?」よりつづく
高校生のときに経験した風変わりな“結婚生活”の授業など、学生時代の同級生や教師、身近な人たちとの何気ない日常をユーモアたっぷりに綴ったエッセイがネット上で注目を集めた潮井エムコさん。22万超の「いいね」を集めた「学生結婚と子育て」(※初出時「女子高生の私が学生結婚した話」)などを収録した、初の著書『置かれた場所であばれたい』は、何もかもが初めての経験となった書籍化作業だったという。そこで、特に印象に残っていることを聞いた。
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――あらためて、本をつくってみての感想を伺えますか。
いつかプロの人に自分の文章を読んでもらって、足りないところを指摘してもらえる機会があればいいなとは思っていたので、それが叶ったのはとてもうれしかったです。まさか本を出すことになるとは思っていませんでしたが……。
書籍化作業のなかで色々とご指摘をいただいたんですけど、まるで隠してたテストの答案用紙を親に見つけられたような気分でした(笑)。
執筆した当時はもうそれ以上表現が思い浮かばなくて、「ここはもうこんな感じでいいかな」と出してしまったところを見逃されないんです。
例えば、ある動詞を使ったときに「もっと“この気持ち”だと読者に的確に刺さる言葉にしてほしい」というような指摘が来る。それをうんうん唸って、ベストな表現に変えていく。それがすごく貴重な経験でしたし、これからまた書くものもレベルアップさせられるかも、と思っています。
――作業中、印象的だったことはありますか?
収録エッセイを決める際、最初に提案されたエピソードは意外でしたね。何が入るのか予想していたというわけではないんですけど、エッセイについて改めて誰かから意見を貰うというのが初めてだったので、「これが選ばれるんだ!」って。
ただ、私が公開しているエッセイは、重い話もあれば本当にくだらない話もあり、収録するバランスによって、読者の方に届く印象が全く変わってしまうんです。