
――インパクトのある書名『置かれた場所であばれたい』はどのように決まったのでしょうか。
これはなかなか決まらなくて……。最終的には、担当編集さんが考えた案で決まりました。
タイトルが決まるまでは他の作業もなんとなく手探りで、どこに何を据えたらいいのか悩む場面も多かったのですが、名前が決まるとすべてがしっくりきたんです。「この本はきっと『置かれた場所であばれたい』って名前になる本だったんだ」という気持ちになりました。やはり名前は、自分でつけるより貰った方がいいですね。
私は「つけてもらった名前のようになるぞ」と目指していった方がいいものになる気がしていて。私が出した案もあったけど、『置かれた場所であばれたい』になってよかったです。
――書籍の表紙には、あばれているようにも見える女性のイラストがあしらわれていますね。
そうなんです。表紙を含むデザイン関連は、基本的に編集さん、デザイナーさん、イラストレーターの大津萌乃さんにお任せしていました。
最初だけ、「こういう感じで……」というざっくりとしたイメージをお伝えしたのですが、あとは出来上がってきたものを「最高です! それでお願いします!」と。おかげで良いものができたと思っています。
書店にたくさん本がある中で、この1冊を手に取ってもらえるって、めちゃくちゃ難しいと思うんです。よく名前を見かける作家さんであるとか、芸能人がおすすめしていた、とか様々なきっかけがあって手が伸びると思うんですが、私の場合、超無名。
イラストやデザインの視覚的な力って大きいと思うので、はじめましての方に手に取っていただけるきっかけとして、デザイナーさんやイラストレーターさんの力にかなり助けてもらっているのではないかと感じています。
女の子のイラストの周りには、収録しているエッセイにまつわるアイテムが描かれています。読んだ後にもう一度よく見ると「これはあの話の!」と気づくような仕掛けになっているので、ぜひそこも楽しんでもらいたいです。
(取材・文=大谷奈央)