「OBスカウト制度を採用してから4年なので実質的な成果が出るのはまだ先。しかし人脈は確実に広がり各地の関係者との繋がりも構築できている。中長期で考えれば素晴らしい試みで、数年後には素晴らしい人材がさらに入団してくるはず」(巨人関係者)

 また、2021年10月に就任した水野雄仁スカウト部長の手腕に対する評価も高く、今後への期待もさらに高まっている。

「就任初年度のドラフトで1位指名した大勢の活躍は水野氏の眼力があったからこそ。年間250日以上は国内を飛び回って自分の目で選手を見る。アマチュア、プロでの豊富な経験を生かした天職と言える立場で素晴らしい仕事をしている」(巨人関係者)

「アマチュアの練習試合や紅白戦でも巨人スカウトを見かける。吉村禎章編成副本部長兼国際部長も色々な場所に姿を現している。足を使って地道に選手を発掘しているようです」(在京テレビ局スポーツ担当)

 インターネットやSNSが普及した情報化社会であえて「現場主義」を貫く。プロで活躍できる選手を見極めるには、実際のプレーを確認しなければならないということだろう。

「水野氏や吉村氏は巨人のスター選手だった。アマチュアチームの監督、指導者たちにとって年代的に尊敬する選手だったはず。現場に足を運んでもらえるだけでも光栄で、両者の関係構築もスムーズにいくはず」(在京テレビ局スポーツ担当)

 巨人は1993年オフにFA制度ができて以来、豊富な資金力を武器に他チームの主力選手を迎え入れ強さを保ってきた。また、助っ人についても他のチームで活躍した選手を獲ることが多く、その手法については“金満”などと揶揄され、批判的な声が多かった。

 だが、近年は先述のようにFAで獲得に乗り出した選手が他チームと契約することも増え、方向転換せざるを得なくなってきた。そんな中で、球界最長の歴史を誇る球団には数多くのOBが存在しており、うまく活用することで選手発掘や人脈形成をしようと積極的に動いている。

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