ダイニングからリビングを見渡すとピアノの上までモノでいっぱい/ビフォー

 5000件に及ぶ片づけ相談の経験と心理学をもとに作り上げたオリジナルメソッドで、汚部屋に悩む女性たちの「片づけの習慣化」をサポートする西崎彩智(にしざき・さち)さん。募集のたびに満員御礼の講座「家庭力アッププロジェクト®」を主宰する彼女が、片づけられない女性たちのヨモヤマ話や奮闘記を交えながら、リバウンドしない片づけの考え方をお伝えします。

【爽快のアフター】最後の悩みが解決、軽やかなリビング

case.68  自分と丁寧に向き合えた45日間

夫+子ども3人/専業主婦

「ワラにもすがる思いでした。これまでほかの悩みは解決できたんですけれど、片づけだけがどうしてもできなくて……」

 三矢さんは、夫と子どもの5人暮らし。子どもの頃から苦手な片づけは、大人になってもできないままでした。

 根本的に、片づけ方がわからない。親に「片づけなさい!」と怒られて、嫌になって片づける気がなくなる。そのくり返しでした。

「お道具箱とか、小さな範囲ならきれいにできました。でも、部屋とか大きなスペースになると、どうしていいかわからなくなってしまうんです」

 結婚して子どもが生まれると、1番の悩みは片づけから育児のことにチェンジ。上の子はイメージしていた赤ちゃんとは違い、どう向き合っていいかわからなくなってしまったのです。

「生後10ヶ月で保育園に行くと、泣かずにこちらに手を振って自分から先生の方にハイハイして行くのでビックリ。『聞き分けがよくて、ありがたいね』とみんな言ってくれました。でも、家に帰って私が抱っこした瞬間にワーッと泣き出してしまい、家事もできなくて本当に大変でした」

 初めての育児は不安で余裕もなく、自分が思い描く母親像とはかけ離れていきました。三矢さんがなりたかったのは、なんでもできていつもニコニコしているお母さん。でも、頑張れば頑張るほどうまくいかず、イライラと絶望感に苦しむようになりました。

 悩んだ三矢さんは、思考やコミュニケーションに関するセミナーに参加。そこで学んだことを活かして自分と向き合うようになると、子どもや家族を含めた周囲との関係性が改善されました。上の子が14歳になった今では、よき話し相手になっていると言います。

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西崎彩智

西崎彩智

西崎彩智(にしざき・さち)/1967年生まれ。お片づけ習慣化コンサルタント、Homeport 代表取締役。片づけ・自分の人生・家族間コミュニケーションを軸に、ママたちが自分らしくご機嫌な毎日を送るための「家庭力アッププロジェクト?」や、子どもたちが片づけを通して”生きる力”を養える「親子deお片づけ」を主宰。NHKカルチャー講師。「片づけを教育に」と学校、塾等で講演・授業を展開中。テレビ、ラジオ出演ほか、メディア掲載多数。

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