受験シーズンが佳境に入った。過去に話題となった記事を再配信する。(この記事は、2020年7月26日に配信した内容の再配信です。肩書、情報等は当時)
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災害時の連絡手段やオンライン学習のツールとしても活用されるスマートフォン。文部科学省は原則禁止としてきた中学生の学校への持ち込みを条件付きで認め、その利用方法がますます重要になってきています。そこで親を悩ますのが子どものスマホ「依存・中毒」。自主性に任せるべきか、親が管理すべきか。三男一女東大理三合格の佐藤ママこと佐藤亮子さんに聞きました。
――中学生の約67%がすでに携帯を所有・利用しているというデータもあります。佐藤さんは子どもがスマホを持つことをどのように考えますか。
佐藤さん(以下、敬称略):事故や災害が起きた場合など、緊急時の連絡手段として登下校時に携帯電話は必要だと思います。私も実際、子どもが通う学校が遠かったこともあり、学校や塾の送り迎えのときにすれ違いが生じないためにも、子どもたちに携帯は持たせていました。
しかし、家で際限なく使わせることは許しませんでした。例えば寝るときはリビングで充電させて、布団の中に持ち込むということは決してさせませんでした。スマホに関しては、大人が引いた一線に責任を持たなければ、子どもはなし崩し的にスマホ依存になります。
――とはいえ、オンライン学習で必要だったり、宿題を友人と確認したり、勉強のためのアプリがあったり、便利なツールです。
佐藤:このコロナの時代では、オンライン学習は必要だと思います。むしろ、さまざまな理由で学校に通えない子どもたちが家で学ぶことができるように、このまま活用するのは一考の余地があります。科目によっては動画の方が理解しやすい内容もありますが、日常生活でいつも子どもにスマホが必要かということは、よく考えなければなりません。「勉強に必要」という言葉に親は弱いのですが、オンラインでの勉強の時間が終わったらスマホは親が預かるというケジメはつけるべきだと思います。
子どもに無条件に与えてしまう危険性を認識し、用心に用心を重ねるのが親の責任ではないでしょうか。
――どういった点を用心しなければならないのでしょうか。
佐藤:スマホって“時間どろぼう”なのです。以前から依存性も指摘されています。 例えば、子どもはほうっておいたら何時間でもYouTubeを見続けてしまいます。「宿題を1時間したら一つYouTubeを見てもいい」としても、YouTubeというのは見終わったらすぐその下に同じ傾向の動画が控えています。しかも、一つのコンテンツの長さは数分程度なので、もうひとつ見始めるのに罪の意識を感じないのです。しかも面白い。それが、YouTubeの罠です。最初は子どもも5分のつもりで気がついたら50分も経っていた。こういう経験をした子どもは多いのではないですか?