そのほかには、SNSには人と簡単につながれるという非常に危険な面もあります。ためになるものも、悪の道に直結するようなものもあるのが怖いところです。親が知らないうちに連絡を取り合い、トラブルや事件に巻き込まれたニュースは頻繁に目にしますが、子どもは自分の身にも起こる可能性が十分にあるということをどれほど理解しているでしょうか?親はかなり気を配る必要があります。

――使用を制限するとなったら子どもからの抵抗は必至です。

佐藤:ケンカになるかもしれませんが、あらかじめ親子で決めたルールを破ったら取り上げることにしないと。誰でも争いたくはないので、子どもの気分を害するようなことは避けてしまいがちですが、子どものためですから、そこは親の覚悟次第です。

 それに料金を支払っているのは親御さんです。世の中はお金を出している人間に決定権がある、だってスポンサーなんだから、くらいに思ってください。子どもは「制限されたら友だちと連絡を取れなくなる」と訴えるかもしれません。でも、そこでひるんだら、子どもは親の足元をみますよ。

 わが家では、家の中でのゲームは禁止(ただし中1からは外ではOKに)、スマホは連絡のみと決めていました。私の目の前でゲームをする姿は見たことがなかったのです。しかし、最近娘から「ママが二階に洗濯を干しに行っているスキに、兄たちはゲームをしていたよ」と聞きました。私は大笑いしましたが、子どもって本当に大人の見てないところではろくなことはしないのだなと今ごろになって納得。やはり、かなり厳しく制限する必要はあるのではないでしょうか。

――子どもを説得する際に、コツはありますか。

佐藤:まずは親が感情的にならないことです。「あなたのことを、こんなに心配しているのに何でわからないの!」と叫んでも子どもは反発するだけ。ここは、親という立場からではなく一般論として、冷静にスマホ依存の危険性、誰とでも繋がるので危険な目に遭うこともあると説明することです。そのあと、家のルールを守らなかったら親がすぐに預かるからね、と話し合って例外は決して許さないことです。

 初めは反抗すると思いますが、大人になって「あのとき、厳しくしてくれてよかった」と気がつくものですよ。

 今の時代は、スマホの扱いで子どもの人生が大きく変わってしまうと言ってもいいくらいなのです。スマホの便利さの裏にある闇から子どもを守らなければなりません。親がスマホを管理するのは、子どもの将来のためには必要なことなのです。覚悟をもって子どもを育ててほしいと思います。

(聞き手/AERAdot.編集部 鎌田倫子)

暮らしとモノ班 for promotion
2024年の『このミス』大賞作品は?あの映像化人気シリーズも受賞作品って知ってた?