黒田ちはる(くろだ・ちはる)/がん専門病院などで看護師として働く。その経験から看護師FP(R)として活動。がんに特化した家計相談を受けている(写真:本人提供)

「『休職制度があるよ』と話すより『働き方があるよ』。ダイバーシティーを考えると、がん患者の働き方も、複数ある都合の一つです。よかれと思って、別の仕事を提案することもあるでしょう。しかし『自分は不要とされているのか』と誤解して受け止められるかもしれません。なぜ別の仕事を提案したかも含めて伝えれば、余計な誤解は生まれにくくなります。一方的に伝えるのではなく、必ず本人と対話を重ね、お互い合意の上で、診断後の新しい働き方を考えることが大切」

 桜井さんは、がんをマイナスに捉えるのではなく、一つの「価値」として、「WorkCAN's」と名付けた企業内ピアサポーターの育成事業を実施。WorkCAN's、つまり「働くがんサバイバー」が当事者経験や上司経験などを生かして職場の身近な支援者になったり、経験者だからこその知恵を商品開発に生かす活動もしている。「私、がんサバイバーなんです」が仕事での強みになる日は遠くないかもしれない。(ライター・羽根田真智)

AERA 2024年2月19日号より抜粋

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