いずれにしても言葉が出てこないのは困るので、この仮説をもとにして自分なりに対処法を考えました。話をしていて人の名前が出てこないことが多く、困ることが多発するようになりましたが、そういうときはその人の属性を挙げるようにしています。「○○をしていた」とか「○○という話をしていた」というふうに紐付けられた情報をいくつか挙げると、名前が出てきやすくなります。また、すぐに必要で時間をかけられないときや、どうしても思い出せないときは、まわりの人の力を借りることもあります。思い出したい人の属性を挙げると、勘のよい人が連想ゲームをやっているかのように「○○さんですね」と、その人の名前を伝えてくれます。幸いにして私のまわりには事務所のスタッフや研究会の仲間など、この連想ゲームが得意な人が多いので、たいていの場合はまわりの手助けがあればすぐに無事解決となります。

 出てこないのが地名や物の名前という場合も、まわりに属性を伝える方法は有効です。ただし、この方法は自分の頭の中のイメージと、相手の頭の中のイメージが一致していないとなかなかうまくいきません。たとえば、「あれ」「それ」「これ」の指示語で表現できる現物が手元にない場合などは、その物がなにを指しているのか相手になかなか伝わりません。「こういうときに使う」とか「こんな形をしている」というように属性を伝えても、イメージが一致していないかぎり、どこまでいっても平行線なのです。

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パソコンやタブレットの扱いに難儀する