隠「この大迫たつ子!」
八「それも知ってますよ! 言いたいだけでしょ、そーいう昔の女子プロゴルファーの名前を」
隠「……で何を聞きに来たんだよ?」
八「やっと落ち着きました? 本題いきますよ……もうすぐバレンタインデーですね」
隠「そうらしいな」
八「うちの娘がさっき台所でチョコ作ってましてね。『誰にあげるんだ?』って聞いたら『うるせえ! 黙ってろ、ドブネズミ!』なんてことを言うんですよ。『また照れちゃって! ひょっとしてお父さんにか?』って言ったらね、『は? ◯すぞ、クソが! お前みたいなメカヘドロハゲにチョコなんて勿体ねえんだよ! 京急蒲田の駅前で酔っ払いのゲ◯でもすすってろ、窒息ブタパンチョっ!』なんて言いましてね。いやー、弱った(笑)」
隠「よく笑ってられるな」
八「まぁ反抗期ですね。いつもの調子でさぁね(笑)」
隠「いつもそんな感じなのか?」
八「はい!」
隠「お前がいいならいいけどね」
八「ありがとうございます!」
隠「礼!?」
八「ところでね、ずーっと不思議だったんですけど、なんでバレンタインデーにはチョコレートなんですかね? べつにポテトチップスとかカールとかじゃがりこでもいいと思うんですよね。でもなんで好きな相手に渡す贈り物がチョコなんですか? それを聞きに来たんですよ。教えてください、ご隠居さん!」
隠「そんなに知りたいか?」
八「はい」
隠「メチャクチャ気になるか?」
八「はい」
隠「そう? そうなんだ? ……じゃこんなこと言うのなんだけど、ネットで調べたほうが早いよ。……だいたいウィキに出てるだろうが。あのな、もう隠居に聞きに行ったりする時代じゃねえだろ。お前は本当に俺に聞きたくてここに来てるのか? 昔からそういう流れだからとりあえず乗っかっていこうか、と思って何の考えもなく俺ん所に来てるだろ? 『いえ』じゃねえんだよ! わかるんだよ、俺には! 隠居なんてどうせ暇そうだし、わかんねえことあっても自分でネットで調べりゃわかるけど、隠居に聞いといてやるか、ぐらいの気持ちで来てるんだろうっ!? 違うか? おいっ! おいっ! おいおいっ!!!」
八「!? どうしたんですか、急に熱くなって!?」