前人未到の将棋の「八冠」を達成した藤井聡太。大の鉄道好きでも知られ、ゆく先々で鉄道を楽しみ、ファンにも公開。こうしたファンサービスには、将棋の普及と、地方鉄道の救世主の期待もかかる。AERA 2024年2月5日号より。
【写真】JR大曲駅構内で除雪車両を運転し、指さし確認をする藤井聡太八冠
* * *
藤井聡太八冠(21)が鉄道を楽しむ様子がメディアを通して紹介されることで、地方鉄道も盛り上がる。
ことでん運輸サービス部係長の津田全史(まさし)さんは、
「体験の様子はSNSでも大きな反響があり、みんなの関心も高まって、明るい話題になりました」
と言い、第三セクター「三陸鉄道(通称『三鉄』)」の広報担当、三河和貴子さんは、
「藤井さんのお陰で、三鉄のイメージアップになりました」
と話す。
地方鉄道の救世主に
ライターで、本誌の連載「棋承転結」でもおなじみの松本博文さんは、藤井が鉄道の一日駅長や車掌体験をするのは、地元のことも考えてのことだという。
「ファンあっての将棋界ですので、地方のために何かしたいという気持ちは、多かれ少なかれ棋士はみんな持っていると思います」