「すぐに買わない」トレーニング

 ますます買い物がより簡単に、さらに便利になっていく世の中。

 手元にお金がなくても、クレジットカードや後払いを利用すれば、支払いを先に延ばすことができます。

 注文したらほぼ即日で自宅まで届き、不在でも宅配ボックスに配達してもらえるなど、受け取りに困ることもありません。

 寝ぼけていても買えそうなこの購入ハードルの低さ。なんと恐ろしいことでしょう。

 ネット上だけでなくリアル店舗でも、自宅配送やポイントがつくサービス、クーポン配布や試供品のプレゼントなど、購買意欲をかき立てるサービスが目白押しです。

 便利なサービスと楽しく上手に付き合えればいいですが、「すぐに買う」習慣があると、不要なものが生活に入ってくる可能性もそれだけ高くなります。

 瀬戸際でブロックするために必要なのが「あるもので過ごす」習慣です。

 車に例えると、「踏切の前は一旦停止」のルールです。踏切を「レジ」や「支払い」と捉えてみると、わかりやすいかもしれません。

 いきなり「買わない!」と0か100かで決めるのではなく、まずは週に1回でも「すぐに買わない」が実行できたら上出来だと思って、少しずつトライするのがコツです。

「すぐに買う」習慣から、「あるもので過ごす」習慣に徐々にシフトしていくと、支出額が減るだけでなく、余計な行動で時間を浪費することもなくなります。

 時間と心のゆとりも生まれて、勉強や趣味など、自分がしたいことに集中して取り組むことができるようにもなるのです。

次のページ
「大きな変化」はコスパが悪い