「大きな変化」はコスパが悪い

 いわゆる「散財」や「浪費」でものが増えるとき、一体何が起こっているのか疑問に思い、支出記録を元に行動を振り返ったことがあります。

 元をたどればほとんどは、超つまらない「現状の不満」を解消するためでした。

 ものすごく必要というよりも、「なんとなく雰囲気を変えたくて、新しい服を買う」というような、何だか不満で何とかしたいのよね〜という、かなり漠然とした理由でお金を使っていたのです。

 そして、より大きな変化を求めてさらにお金を使いたくなるようです。

 お金をかけた分だけ、大きなリターンを得られる気がするからでしょう。

 本当は、ほんの少し置き場所を変えてみたり、使い方をひと工夫して、あるもので過ごせば十分なはずです。

 でもすぐに買うことが習慣づいていると、「現状を変えるにはお金が必要」と思い込んで、ものを増やしてしまうのです。

 例えば、いまの部屋がなんとなく気に入らなくて、「模様替えしたい!」と思い立ったとき。

 私ならまず、入念に掃除してみたり、ものの配置を少し変えてみます。この場合、かかるお金は0円です。

 ですが、すぐにお金を使って変化を起こそうとすると、いまあるものの処分費用、新しく必要になるものの購入費用などが必要になってきて、どこから手をつけたらいいのかさえわからなくなってしまうことでしょう。

 お金をかければかけるほど不満や不安を解消できると思いきや、実はそうでもないのです。

 パッと見てわかりやすい変化ほど、その瞬間は気分が変わっても、なかなか長続きせず、また何か欲しくなり……負のループに突入します。

「大きな変化ほど、お金がかかる」と日頃から意識してみるといいかもしれません。

次のページ
変身願望は考え方を見直すきっかけ