昨年12月にはブルワーズがメジャーデビュー前の19歳、ジャクソン・チョーリオ外野手と8年総額8200万ドル(約121億1000万円)で契約を結んだことが話題となった。さらに、この契約には出来高も含まれており、クリアできればチョーリオはさらなる大金を手にするという。
最近ではこのようにメジャー経験のない超有望株を“青田買い”するのがメジャーのトレンド。理由は将来的に選手が活躍した場合、どこまでも膨れ上がってしまう年俸を抑えるためだ。チョーリオと契約したブルワーズも決してお金持ちの球団ではなく、ある意味では活躍を見越して“賭け”に出たと言っていいだろう。
チョーリオと同じくデビュー前にホワイトソックスと6年総額4300万ドル(約63億5000万円)という大型契約を結んだエロイ・ヒメネス外野手という選手がいる。同選手はデビューした2019年こそ31本塁打、79打点をマークする活躍を見せたが、その後は怪我が目立ち、成績はいまいち伸びていない。“元を取れた”かは微妙なところである。
昨オフには日本では苦戦している感のあった藤浪晋太郎(元阪神)が、アスレチックスとメジャー契約を結び、阪神時代の年俸4900万円から325万ドル(約4億8000万円)に上がった。最近のメジャーリーグの年俸高騰や、円安での割高があるとはいえ、年俸が大幅アップしたことが話題となった。代理人のスコット・ボラス氏が敏腕であることも良い契約に繋がったというのもあるが、アスレチックスは高校時代は大谷よりも上との評価もあった藤浪の投手としてのポテンシャルに“賭けた”部分もあるだろう。
活躍しても抑えられる年俸は抑え、実績はなくとも可能性があれば異常なほどの年俸を払う。日米の野球界では様々な違いがあるが、選手の報酬に対する考え方には大きな違いが見える。