昨年3月のWBCでは侍ジャパンの一員として活躍したヌートバー

 今オフは大谷翔平(エンゼルスからFA)が北米4大プロスポーツ史上最大の10年総額7億ドル(約1034億1000万円)、山本由伸(オリックスからポスティング)が投手史上最高の12年総額3億2500万ドル(約480億1000万円)でドジャースと超大型契約を結んだ。

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 他にも今永昇太(DeNAからポスティング)が4年総額5300万ドル(78億2000万円)でカブスと契約するなど、日本のプロ野球では考えられない金額を手にしている選手が増えているが、メジャーリーグの球団は必ずしも“寛大”なわけではない。むしろ、契約上で絞れるところはどんなことがあっても絞るのが当たり前だ。

 特に若手は年俸調停の権利を得るまでは、どんなに活躍しても給料が上がらないケースが圧倒的に多い。

 昨年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日系人として初めて侍ジャパンの一員として活躍したラーズ・ヌートバー外野手もまだ調停前の若手。メジャー3年目の昨季は117試合に出場して打率.261(426打数111安打)、14本塁打、46打点、11盗塁、出塁率.367とケガで離脱した時期もあったが、レギュラーとして十分な成績を残した。

 選手の価値を総合的に表す指標のWARでもトップクラスではないが、メジャー全体で93位(3.2)と低くはない。だが、昨季の年俸は73万2400ドル(約1億円)。今季も調停前であることから給料はほぼ据え置きの額となるだろう。だが、先述の通り活躍の度合いを見れば、現在のメジャーの相場から考えれば少なくとも500万ドル(約7億3000万円)ほどは貰う価値はある。

 WARランキングで順位が近い選手を見ても、1つ上のグレイバー・トーレス内野手(ヤンキース)の昨季年俸は995万ドル(14億7000万円)、1つ下の鈴木誠也(カブス)は1800万ドル(約26億6000万円)。他にもヌートバーの近くにランクされている選手を見ても、野手、投手ともにほとんどが主力であり、ヌートバーは現状の給料ではかなりコスパが良い選手と言える。

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元巨人の長距離砲も“格安”