セカンドレイプを助長する可能性も
――週刊誌の報道が出たあと、松本氏はXに「いつ辞めても良いと思ってたんやけど…やる気が出てきたなぁ〜。」と書いたり、被害を告発した女性の“お礼”LINEの画像とともに「とうとう出たね。。。」などとポストしています。この対応をどうみましたか。
私は、これが一番の問題だと思っています。松本さんや吉本が主張するように、もし報道が事実無根だとしても、性加害の疑惑が向けられている当事者として、被害を訴えている方たちへの誠意がないと思いました。松本さんは非常に影響力がある方ですし、吉本もSDGsを重視している企業です。今回の対応は、性被害を告発した女性たちを更に傷つけているような対応です。これが前例になってしまえば、性被害を告発した方たちへのセカンドレイプを助長するかもしれず、非常に問題がある対応だと思っています。
――旧ジャニーズ問題以降、世の中の動きに何か変化は感じましたか。
報道の動きに関してはそこまで変化を感じませんが、スポンサー企業の対応は変わったと思います。旧ジャニーズ問題がBBCに報道されたとき(2023年3月)は、静観している企業がほとんどでした。ネットで不買運動が起きるなどして、やっと旧ジャニーズ所属のタレントを起用しなくなるようになってきたという感じでした。しかし、今回はスポンサー離れが早かった。旧ジャニーズ問題以降、それだけ、「ビジネスと人権」という感覚が日本社会にも浸透してきたのではないでしょうか。スポンサー企業は、自分たちの社会的な影響力の大きさをもっと考え、今回のようにスポンサーを降りるということも含めて、世の中を良くすることへの責任を感じて行動してほしいです。私はこれはいい変化だと受け止めています。