功績と性加害は分けて考えるべき
ただ、そもそもこうした議論が出てくること自体、功績と性加害を分けて考えられていないことの証左だと思います。松本さんはお笑いで多くの新しい功績を作った。しかし、性加害をもししたのであればそれは許されることではないと、両者を分けて考える必要があります。そこは、社会の価値観をアップデートしなければいけないのではないでしょうか。
――芸能界の体質自体を見直す必要があるように感じます。
芸能界の性加害は、構造的な問題だと思っています。繰り返しになりますが、松本さんの疑惑が事実かどうかは現時点でわかりませんが、事実であるならば、これを機に業界の見直しをしっかり行う必要があります。そのためには、芸能界を目指している若者たちを守る法律の整備が必要だと思います。私は、旧ジャニーズ問題以降、ウェブ上で「#芸能人を守る法律を作ろう」という署名活動をしています。力関係の違いを利用した性加害の問題は芸能界に限らないことなので、日本社会の構造自体を変えていく動きが、今回の報道をきっかけに広がっていけばいいと思います。
(構成/AERA dot.編集部・唐澤俊介)