時間が経過しているとはいえ、大型契約でチームを去ったにも関わらず、古巣ファンに好意的に迎えられたのが、アルバート・プホルス一塁手だ。

 カージナルスでシーズンMVPを3度受賞するなど、11年間にわたってチームの顔としてプレーしたプホルスは2011年のオフにFAとなり、エンゼルスに移籍。カージナルスも残留へ向けてオファーを出したというが、最終的に10年総額2億5400万ドル(約364億7000万円)という契約で西海岸でのプレーを決断した。

 リーグが違うこともあり、古巣セントルイスでプレーする機会はなかなか訪れなかったが、チームを退団してから8年後の2019年6月に凱旋が実現。敵チームの一員として登場したわけだが、待っていたのは古巣ファンからのこれでもかという大声援だった。エンゼルス移籍後は苦戦も目立っていたが、翌日の試合ではホームランを放つなど、元本拠地でかつての打撃を取り戻したようでもあった。

 プホルスは「ここは自分のルーツがある場所。ファンは自分が若い時から選手として成長していく姿を見守ってくれた」と感謝を語るとともに「戻ってきたタイミングも完璧だったね。チームを去った時に怒っていた人々も許してくれたんだと思う」と久々のセントルイスでの試合を振り返っている。

 ここでは3選手の事例を振り返ったが、やはりスター選手がチームを去るとファンの感情はネガティブになってしまうケースが多い。だが、同時にかつてチームの顔としてプレーした選手についてはファンの思い入れも非常に強く、時間が立てば温かい気持ちで迎えてくれる。

 果たして、大谷がアナハイムに戻ってくる試合でエンゼルスファンはどんな反応を見せるのだろうか。今シーズン終盤の9月3日に“ドジャース大谷”はエンゼル・スタジアムに凱旋する予定だ。