前出の知人はこう続ける。
「ジュリーさんは夫とは離婚しているのですが、アメリカに留学している大学生の娘がいます。性加害問題がなければ、娘さんがジュリーさんの“後継者”の第一候補でした」
ジャニー氏による性加害は60年以上にわたって行われ、被害者は少なくても数百人おり、実際には数千人に上ると語る被害者もいる。ここまで長期間にわたって、膨大な数の被害者がいるにもかかわらず、ジャニー氏の性加害が止まらなかった背景には、閉鎖的な「同族経営」の弊害が挙げられている。ジャニーズ事務所はジャニー氏とメリー氏が絶大な権限を持っており、ジャニー氏の性癖を知りながらメリー氏はそれを「見て見ぬふり」をしてきたこと、ジュリー氏も性加害の疑惑を認識しながら対応を取らなかったとされる。ジュリー氏にも性加害を「隠蔽(いんぺい)」してきた責任の一端はあると言えるが、被害者はどう考えているのだろうか。
元忍者のメンバーでジャニー氏から性加害を受けた志賀泰伸さんはこう語った。
「ジュリーさんはちゃんと逃げずに会見に出てきて、『性加害はあったと認識しています。心よりおわびします』と謝罪したことは評価できます。やっとここまできたか、という感想です。だけど、彼女が5月に『謝罪動画』を出してから4カ月くらいたっており、いまさら記者会見というのはあまりにも遅い。それに、会見ではどこまで何を知っていたかなどの具体的な説明はなく、終始、話が抽象的だったのはちょっと残念でした」