ここに出雲2区区間賞、全日本2区2位と好調でエースに成長した青山学院大・黒田朝日(2年)、オリンピアンで学生最後の箱根路に挑む順天堂大・三浦龍司(4年)、全日本4区で区間賞をマークした城西大・斎藤将也(2年)がどう絡めるか。さらにハーフマラソン日本人学生歴代2位の記録を持つ中央学院大・吉田礼志(3年)、東京農業大学のスーパールーキー・前田和摩(1年)も区間賞を争える力があり、1、2年時に2区で好走して復活を期する東洋大・松山和希(4年)も注目。さらに、箱根予選会個人トップの記録をマークした日大のシャドラック・キップケメイ(1年)がどのような走りを見せるか。国士舘大のピーター・カマウ(3年)、山梨学院大のジェームス・ムトゥク(2年)の留学生ランナーたちの力も侮れない。ずばり、群雄割拠。間違いなく“面白い” 2区となる。
続いて箱根の5区(20.8km:小田原中継所~芦ノ湖)だ。これまで数々のドラマ、逆転劇を生んできた特殊区間。過去、今井正人(順天堂大)、柏原竜二(東洋大)、神野大地(青山学院大)と“山の神”が降臨しているが、今回は城西大の山本唯翔(4年)と創価大の吉田響(3年)の2人が区間賞候補であり、新たな神候補となる。
1年時に5区6位と好走した山本は、2年時はチームが本戦出場を逃した。だが、前回大会では13位から4人抜きで9位に押し上げるとともに、宮下隼人(東洋大)が2020年にマークした従来記録を21秒更新する1時間10分04秒の区間新記録を樹立。“山の妖精”とネーミングされた。再び背中に羽が生えたような軽やかな走りでチームを上位に押し上げるつもりで5区出走の準備を整えている。
一方の吉田は、東海大1年時に5区2位&8人抜きの快走を見せて脚光を浴びた。そして今年4月に創価大に編入すると、出雲で5区区間賞、全日本では5区で区間新の走りを披露した。平地でも他校のエース級の力を持つ吉田が、絶好調のまま乗り込む今回の箱根路では5区を希望。新たな“山の神”の誕生を目撃することになるかも知れない。