国学院大・平林清澄
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 新春の箱根駅伝の号砲が刻、一刻と近づいてきている。大きな注目点としては、史上初の2年連続三冠達成に王手をかけている駒澤大を“止められるか”になるが、その中で「花の2区」と「山登りの5区」の注目区間に絞って、展望を予想したい。

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 箱根の2区(23.1km:鶴見中継所~戸塚中継所)は毎年、各大学のエースが集う。“王者”駒澤大では、鈴木芽吹(4年)の出走が確実視されている。1年時から箱根を経験し、前回大会は4区で区間3位。主将に就任した今季は、出雲6区区間賞、全日本7区3位と安定した走りを見せている。10000mの自己ベストは今年11月に記録した27分30秒69。鈴木の前後を佐藤圭汰(2年)、篠原倖太朗(3年)と学生トップの実力者が走ることが予想され、精神的にも余裕を持って走ることができる点は大きなアドバンテージになる。

 その鈴木を実績で上回るのが、中央大の吉居大和(4年)だ。2年時の箱根1区で区間新の衝撃の走りを披露すると、3年時は出雲1区、全日本6区、さらに箱根2区で駒澤大・田澤廉、青山学院大・近藤幸太郎らを抑える魂の走りを見せ、三大駅伝すべてで区間賞をマークして見せた。今季は出雲を回避、全日本では海外遠征からの疲れもあって3区11位に終わったことでコンディションが心配されるが、学生最後の箱根だけに気合は十分。弟・駿恭(2年)が1区を走っての“兄弟たすきリレー”の実現も注目される中、学生界のエースとしての力を最後に見せつけたいところだ。

 国学院大の平林清澄(3年)も2区区間賞争いの有力候補となる。1年時から三大駅伝全レース出走を続け、箱根では1年時に9区で2位と好走したが、2年時は2区で7位と力負けした。だが、その経験と悔しさは今回に生きてくるはずだ。今季は出雲で6区4位の後、全日本ではエースが集まる7区で鈴木芽吹を上回って区間賞を獲得し、エースとしての自覚と自信がさらに高まった状態で箱根を迎える。距離が長い方が適性はアップするだけに、全日本でのタイム差をさらに広げることも可能だ。

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今年も2区は群雄割拠で面白い!