各種報道や自治体、鉄道会社、不動産開発会社の発表資料などをもとに作成(週刊朝日 2023年4月7日号より)
各種報道や自治体、鉄道会社、不動産開発会社の発表資料などをもとに作成(週刊朝日 2023年4月7日号より)
各種報道や自治体、鉄道会社、不動産開発会社の発表資料などをもとに作成(週刊朝日 2023年4月7日号より)
各種報道や自治体、鉄道会社、不動産開発会社の発表資料などをもとに作成(週刊朝日 2023年4月7日号より)

「JR各社の中で積極的なのはJR九州。長崎や本、博多といった九州各県の主要駅に新しい駅ビルをつくり、収益力アップを図る戦略を進めています。ターミナル駅は、その地域では最も人が集まる場所。そうした駅を重点的に開発する姿勢です」

 不採算のローカル線を抱え、以前から鉄道事業の営業赤字が続くJR九州は、もともと非鉄道事業に力を入れてきた。新型コロナウイルスで鉄道の利用客は減り、その重要性はさらに増した。

 昨年3月に発表した中期経営計画では、鉄道事業のテコ入れとともに、非鉄道分野への投資を増やし、30年度には営業収益に占める非鉄道分野の割合を75%に高める目標を掲げた。

 地元の百貨店といった中核的な商業施設の閉店をきっかけに再開発計画が持ち上がるケースもある。山梨県内唯一のデパート、岡島百貨店(甲府市)が、長く営業してきた店を2月にたたみ、近くの商業施設に移転した甲府駅周辺や、同月末に津田沼パルコ(千葉県船橋市)が閉店した津田沼駅の周辺は、その跡地開発が課題だ。居酒屋や商店が軒を並べ「のんべえ」の街として知られる京成立石駅(東京都葛飾区)周辺など、都心では木造建築の密集地の解消が再開発の理由に挙げられるところもある。

 各地の計画を見ると「地域活性化」「にぎわい再生」をうたい、オフィスやマンション、商業施設などが入る高層の大型複合ビルを建てる計画が多い。古くから残る風情が消え、大きなビルが建つ似た景色が全国に広がる。そう思うと、少し寂しい気もする。

 駅前に限らないが、高層ビルが増えたのは1980年代以降に国や自治体が進めた規制緩和に伴い、容積率の規制も緩めて民間主導の開発を後押ししてきたことが大きいとされる。

 容積率とは、敷地面積に対する建物の延べ床面積の割合のこと。都市計画が専門の東洋大学の大澤昭彦准教授が東京都内の高さ60メートル超の高層ビルを調べたところ、90年代から2010年代にかけて高さの平均は1.1倍だったのに対し、容積率の平均は1.5倍に増え、高さの伸びを上回った。同じ高さのビルでも、容積率は目立って大きくなっている。

暮らしとモノ班 for promotion
大谷翔平選手の好感度の高さに企業もメロメロ!どんな企業と契約している?
次のページ