新しくできた新横浜線のホーム
新しくできた新横浜線のホーム
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 電車で街に出かけると、あちこちで大きな工事をやっている。最近は駅前に歩行者デッキや緑地、展望広場といった特徴的なデザインが目立つようになり、開発計画を練る方法も徐々に変わっている。全国で進む駅前開発の現状や課題を探った。

【画像】進行中の主な駅前再開発事業がこちら(全5枚)

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「乗り換えなしで新幹線がとまる新横浜駅まで行けるようになる。これはすごいこと。遠出するのに、だいぶ楽になります」

 東急東横線沿線に長く住む60代女性はこう話す。

 相模鉄道と東急電鉄が相互に乗り入れする「相鉄・東急新横浜線」が3月18日に開業した。

 新横浜線は東急の日吉駅から相鉄の西谷駅まで横浜市内にある五つの駅を結ぶ。このうち、新横浜線に新しくできた新横浜駅は、東急と相鉄の両社にとって初めての東海道新幹線の乗換駅となる。この女性が言う。

「新幹線を使う場合は一度、東横線の菊名駅に出てJRの横浜線に乗り換える必要がありました。菊名から新横浜駅まではたったひと駅。新横浜駅は距離的には近いのに、面倒だなといつも感じていました」

 関西方面には仕事や旅行で出かけることが多い。これからは時間も気持ちの負担も減ると期待する。

 新線ができ、神奈川から東京都心へのアクセスも大きく変わる。全路線が神奈川県内にある相鉄が東急とつながり、東急目黒線や東京メトロ南北線を経由して埼玉高速鉄道埼玉スタジアム線の浦和美園駅(さいたま市)まで直通するからだ。相鉄は都営三田線や東武東上線などともつながる。

 神奈川から東京や埼玉まで出かけやすくなり、当然、東京や埼玉から神奈川へのアクセスも向上する。

 新路線の開通に合わせ、周辺では再開発が進む。横浜市は2月、新横浜駅南側の「篠原口」のまちづくり計画案を発表した。周辺の幹線道路を広げ、「まちの顔」となるような広場や商業棟、住宅棟を整備する。篠原口は横浜アリーナや日産スタジアムがある北口側に比べて開発が遅れていた。市民からの意見募集など、都市計画の決定に向けた手続きが進む。

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