2003年の結成時には9人でスタートしたNEWS。誰かが脱退する度に継続が危ぶまれ、ついには3人となり、しぶとく20周年を迎えたわけです。こんなアイドルグループ、世界中見渡しても私は知りません。もちろん、途中加入のメンバーもいません。
9人で歌っていたデビュー曲を、3人で歌い分ける姿というのは、もはや「慣れ親しんだ聴こえ方」云々よりも、エグみと苦みすら大粒の汗と太い声にしてしまうような純度に溢れていて、まるで爽やかな炭酸飲料の「原液」を全身に浴びているようでした。
この「音を浴びる」という感覚は、昨今のアイドルコンサートではなかなかお目にかかれない大切な「生々しさ」のひとつです。ダンスや演出も素晴らしかった。とりあえず、NEWSが20周年を迎えたという事実は、激震の中にある旧ジャニーズ勢にとって、間違いなく大きな励み、力になるでしょう。
そして今後の「ジャニーズ」が、NEWSのように、「生々しく」なっていくのであれば、私はそれを歓迎します。本来、アイドルというのは「生もの」で賞味期限のある存在です。その「期限」をどこまで自分たちで延ばしていけるかは、特に10年以上のキャリアを持つアイドルたちにとっては、もがき苦しみ闘う日々でしかないはずです。それをこれからも見せつけてくれるのであれば、私は何度だって足を運びます。
それを見ずして「ジャニーズ崩壊」などと表層的でお門違いないちゃもんばかりをつける世間を、私は断じて認めません。
もはやK-POPに歯が立たなくなり、会社の権威も失墜した今、NEWSの3人をはじめとする旧ジャニーズ勢が、これから何をしていくか。これぞ純国産のアイドル文化の答えであり終わりであり、ともすれば始まりのような気がしているのです。
みなさんよいお年を!