「今は(再婚は)考えられない」
しかし、すぐに、
「すみません、うそかも!(笑)。うーん、わかんないな。本当に今は(再婚することが)考えられないんですよね」
と言い直す。今は頭の中に「再婚」の2文字はないようだ。
最後に、スザンヌさんの人生のなかで最も記憶に残っている一日を聞いた。
「やっぱり子どもが生まれた日ですかね。14年1月6日。自然分娩(ぶんべん)で2時間半くらいで生まれて安産だったんですけど、後陣痛がめちゃくちゃ痛くて。どんな痛み、ですか? えー、表現が難しいな……。なんかもう、その痛みのときに別の場所をハサミで切られても全然痛くないぐらいの痛み。ズキズキして、史上最高の鈍痛って感じですね。陣痛は赤ちゃんに会えるから頑張れるんですけど、後陣痛って何のために頑張るかわからないじゃないですか(笑)。それもつらくて」
そんな史上最大の痛みのなか、助産師の一言でつい笑ってしまったという。
「赤ちゃんっておなかの中にいるときは丸まっていて、すごく小さいってイメージだったんです。でも、実際に出てくると足がビヨンって長くて。赤ちゃんの脇を持って、助産師さんが『ほら、長いですよ! 足が長い赤ちゃんが生まれてきましたよ!』って言ったんです。その言葉に思わず笑ってしまったのをすごく覚えていますね。無事、産声を上げて、抱っこさせてもらったときに感じた『かわいい』っていう気持ちも忘れられないです。後陣痛の痛みも込みで、思い出深い一日ですね」
(AERA dot.編集部・唐澤俊介)