スポーツ紙デスクは「西武に残留すると思っていました」と振り返る。
「公式試合出場停止処分を受けた西武で復帰した姿を見せるのが筋かなと。ただ、いろいろな考え方があります。選手寿命は限られていますし、FA権を行使する決断が間違っているわけではない。それより、ソフトバンクが獲得に動いたことが驚きでした。過去に、他球団の選手と相思相愛といわれていた球団が獲得を見送るケースは珍しいことではありません。チーム方針や監督が代わったことで補強ポイントが転換することは多々ありますから。今回は山川の不祥事でファン、スポンサーの視線が厳しくなっている。獲得することは大きなリスクを伴います。小久保裕紀新監督は就任記者会見で『強いことも大切だが、美しさが欠けている』と話したように、野球人としての身だしなみ、立ち振る舞いを大事にする人です。侍ジャパンで監督に就任した際もグラウンドに唾を吐くことを絶対に許さなかった。そのスタイルを考えると山川獲得のイメージがわきませんでした」
CS進出が精いっぱい
ソフトバンクは工藤公康元監督の下で2017年からパ・リーグ史上初の4年連続日本一に輝いたが、近年はリーグ優勝を逃している。21年に8年ぶりのBクラスとなる4位に沈んで工藤監督が退任すると、藤本博史前監督就任初年度の昨年はシーズン最終戦で敗れてオリックスに逆転優勝を許した。昨オフにFAで近藤健介、嶺井博希を獲得し、ロベルト・オスナ、有原航平、ジョー・ガンケルが続々加入するド派手な大型補強を敢行したが、結果に結びつかない。今年は7月下旬に54年ぶりの12連敗を喫して優勝戦線から脱落。リーグ3連覇を飾ったオリックスに15.5ゲームの大差をつけられ、3位でCS進出が精いっぱいだった。