入団会見で不祥事について頭を下げる山川

 藤本体制が終わり、小久保監督の下で4年ぶりのV奪回へ。弱点を補うために今オフも積極的に補強を敢行している。巨人の長距離砲アダム・ウォーカーを高橋礼、泉圭輔とのトレードで獲得。今季のチーム総得点536はリーグトップだが、本塁打と打点の2冠に輝いた近藤健介、最多安打(163本)のタイトルを獲得した柳田悠岐に依存していた。5番以降が固定できず、好機であと1本が出ずに敗れた試合が多くあった。主力選手に左打者が多いだけに、右の長距離砲はのどから手が出るほど欲しい。ウォーカーに続きFAで獲得した選手が、同一リーグで何度も対戦して実力を熟知している山川だった。

絶対的エースがいない

 近藤、柳田、山川、ウォーカーと強打者が並ぶ打線は迫力十分。12球団屈指の強力打線に進化する可能性は十分にある。ただ、4年ぶりのV奪回への道はたやすくない。ソフトバンクを取材するスポーツ紙記者は、「一番の懸案事項は先発陣です」と指摘する。

「昨年2ケタ勝利をマークした投手は有原のみ。昨オフにFAでメッツに移籍した千賀滉大の存在の大きさを改めて感じさせられました。連敗をした時に歯止めがかからないのは絶対的エースがいないから。先発ローテーションで回る石川柊太、東浜巨、大関友久、スチュワートは、2ケタ勝利を計算できる水準の投球内容ではない。パ・リーグ最年長の42歳左腕・和田毅に頼っているようだと苦しいです。FAで獲得に乗り出した山崎福也が日本ハムに入団しましたし、先発陣が不安定という問題が解消されていない。オリックスは山本由伸という絶対的エースがメジャーに挑戦しますが、宮城大弥、山下舜平大、田嶋大樹、東晃平、曽谷龍平、斎藤響介と力のある伸び盛りの投手がそろい、山岡泰輔も控えている。打線も広島からFAで西川龍馬が加わり、森友哉、頓宮裕真、杉本裕太郎、中川圭太とタレントがずらり。総合力でいえば、オリックスのほうが上です」

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オリックスが一番の難敵