「能力の高さは誰もが認めるところだが気分次第でプレーが別人のように変わってしまう。過去の実績や人気度など周囲への影響力が大きいので、結果や取り組み方次第では諸刃の剣になる可能性があり評価は別れるところ」(元日本ハム担当記者)

 今オフの獲得については以前から指摘された調子の波の大きさも心配されていた。そんな中、現役最多332盗塁のスピードスター獲得に手を挙げたのがヤクルトだった。

「(ヤクルトは)西川と塩見泰隆を1番中堅で併用できると戦力が確実に上がる。今シーズンBクラスに終わった要因は、塩見のコンディションが上がらず試合出場すら不安視される状態だったから」(在京球団編成担当者)

 塩見は2021年に140試合、2022年には130試合に出場、両年とも出塁率は.345を超え、得点も80以上とリードオフマンとしてチームの連覇に大きく貢献した。しかし今季はコンディション不良もあり、わずか51試合の出場に終っている。来シーズンの巻き返しのために当然塩見の活躍も期待されるが、西川が加入したことで選手層に厚みがでたことはチームにとって大きい。

「塩見は走攻守でチームを引っ張れ明るい性格でムードメーカーでもあった。しかし体調面での不安を抱えるため今後も状況に応じて休ませることが必要。バックアップに西川がいれば心強い」(ヤクルト関係者)

 西川は肩の強さはないが俊足を生かした外野守備には定評があり、日本ハム時代は4年連続ゴールデングラブ賞を獲得している。「アウトになるなら走らないほうが良い」と語る盗塁成功率の高さも定評がある。

「西川をバックアップ要員として捉えるのならば心強い。盗塁成功率も高いので大事な場面での代走起用も面白い」(在京球団編成担当者)

 能力的にはここまで述べたように誰もが認めるところだが、やはり活躍のカギはメンタルな部分になると分析する声は多い。新天地ヤクルトで西川はモチベーションを高く保ちプレーできるのだろうか……。

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ファミリー球団は西川に合うのか?