市販のエアコン洗浄スプレーはNG、室外機カバーも微妙。前冬に電気代が跳ね上がった人必見、「空調のプロ」が教える意外な知識。AERA 2023年12月18日号より。
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政府による「電気・ガス価格激変緩和対策事業」が2024年4月分まで延長されたが、補助額はかつての低圧1kWhあたり7円から3.5円に半減。5月以降は激変緩和幅を縮小するという。かたやネットに目をやれば、真偽のほどが定かでない節電情報があふれている。
そこでエアコンのシェア世界一(富士経済「グローバル家電市場総調査2023」)、ダイキン工業コーポレートコミュニケーション室の重政周之さんに正しい知識を教わった。
暖房器具の中で、一番電気代が安いのは?
まず本誌調査による家電の電気代ランキングを見てほしい。単純に消費電力で考えると、こたつや電気毛布が安上がりに見える。このランキングでは比較のため「暖房器具・加湿器は平日6時間、休日12時間運転」し、「使用中は一定出力を維持する」と仮定した。
「暖房器具には電気ストーブなど“暖房範囲が比較的狭い”ものと、エアコンのように“部屋全体をあたためる”ものがあります。表面的な消費電力だけでなく、ご自身の暮らし方も考えながら暖房器具を選びましょう」
このランキングでコスパが悪そうに見えても、使用目的を考えると効率がいい場合がある。
「暖房器具の使用目的はさまざまです。狭い範囲を素早くあたためたいのか、部屋全体をしっかりあたためたいのか。足元の肌寒さを解消したいというニーズもあるかと思います。使う場所や使用時間、暖房器具の特長に応じて使い分けたり、必要に応じて上手に組み合わせたりすることが節電のポイントです」
エアコンの設定温度は何度に?
「環境省の『ウォームビズ』では『20度(目安)で快適に過ごす』とされていますが、これはエアコンの設定温度ではないことに注意。実際に部屋の中で測った温度が20度前後という意味です。また優先すべきはご自身の体調ですから無理は禁物」
手頃な室温計(後述するが湿度も測れるとなおよい)を買って可視化するといい。