エアコンの効果的な節電法は?
「室外機周辺の風通しを妨げる障害物の除去や、2週間に1度のフィルター掃除です。フィルターを1年間掃除しなかった場合、掃除したエアコンと比べ最大25%も電気代が高くなることもあるといわれています」
エアコンの中の洗浄はどう?
「ご自身での内部洗浄は推奨されていません。洗浄液がエアコンの内部配線端子に付いてショートし、出火した事故も報告されています(NITE=製品評価技術基盤機構)。内部洗浄は専門の業者に依頼しましょう」
市販のエアコン洗浄スプレーの使用も推奨外と聞き、驚いた。年末の大掃除で使う人もいそうだが……。火災に至らなくても、スプレーを中途半端にかけると汚れが落ちる前に乾燥し、頑固な汚れになることもある。
室外機は掃除不要?
「掃除よりも、室外機の至近距離にモノを置かないほうが大切です。空気の吸い込み・吹き出しを阻害してしまいます」
そもそも室外機は外置き前提で作られているので、ホコリがたまっていたら軽く掃除する程度でよさそう。なお、室外機カバーはメーカー各社の推奨外だ。この手のカバーは上からかぶせるタイプのものが多いが、室外機の背面や側面を(少しでも)覆うと空調効率が損なわれる。
窓からの冷気対策は?
住宅から流出する暖気のうち全体の58%(日本建材・住宅設備産業協会)が窓から出ていくという。特に効果的なのは二重サッシやペアガラスなどによる窓の断熱化だが、費用がかさむ。
ダイキンのリリースでは長いカーテンで天井から床まで覆うこと、断熱効果の高いカーテンを選ぶ工夫が紹介されている。
カーテンに追加で付ける、アルミ断熱カーテンも有効だろう。窓に貼る断熱シートや、プラスチック段ボールを窓のサイズに合わせてカットし立てかける方法も効果が見込めそう。
最後に一言。設定温度を必要以上に下げ、厚着をし、寒さに耐えるのは節電というよりただの我慢。工夫が肝心である。(1級FP技能士・古田拓也、編集部・中島晶子)
※AERA 2023年12月18日号