効率よく部屋を暖めるには?
「あたたかい空気は上昇し、冷たい空気は下にたまる性質があります。室内の“温度ムラ”で肌寒く感じると、つい設定温度を上げたくなると思います。うまく循環させるための工夫として、エアコンの風向きを下向きに設定し、あたたかい空気をまずは下へ。また、エアコンの対角線上に扇風機やサーキュレーターを設置し、天井の中央付近に向けて風を送ってみましょう」。注意点は「風をエアコン本体に直撃させない(気流を押し戻さない)」こと。エアコンが室温を誤認する可能性がある。
何分以上の外出ならエアコンを切ったほうがいい?
「環境や気温にもよりますが、ダイキンの実験では30分以上の外出は切り、数十分以内なら切らないほうがいい結果でした」
エアコンは立ち上がり時の消費電力が高め。そして頻繁なオン・オフは電気代に影響する。
湿度を上げると暖かく感じる?
「湿度が高いと人間の体表から水分が蒸発しにくくなる=気化熱により体温が奪われにくくなります。多くの場合、湿度を上げると体感気温も上がります」
では部屋の湿度は何%がいい?
「一般的には湿度40〜60%が推奨されています。湿度が低すぎると空気の乾燥でウイルスが活性化するといわれます。冬に風邪が流行りやすいのはそのためです。逆に湿度が高すぎるとカビやダニの繁殖につながります」
なお、ここでいう「湿度」は一般的で比較的安価な湿度計で確認できる「相対湿度」を指す。
加湿器の「気化式」「超音波式」「スチーム式」はどれがいい?
重政さんの説明を聞き、本誌は気化式かスチーム式を推す。空気清浄機能も重視するならフィルターを通して水分の自然な蒸発を利用する気化式がいい。素早い加湿と、水をいったん沸騰させることによる清潔さを求めるならスチーム式を。
気化式は本格的な空気清浄機に搭載されているものもあり、インフルエンザや花粉などを気にする層に売れている。スチーム式は電気ポットのような仕組み。沸騰させる→内部で冷ます→蒸気を出すという単純な作りのものが多く、手入れのラクさではスチーム式に軍配。ただ、スチーム式は沸騰させる分、気化式より電気代が高くなりがちだ。
超音波式は振動により水を霧状にして放出する。一定の効果は見込めるが、寒く感じることも。こまめに掃除しても雑菌が繁殖して「くさく」なりがち。