
なぜ、日本人はうまく休めないのか。
日本人の休み方の特徴は「コマ切れ」と「周囲に合わせる」ことだと指摘するのは、SOMPOインスティチュート・プラスの大島由佳主任研究員だ。大島さんは「休暇取得の課題と対策」を提案する=表。欧州の先進国では、長期休暇を組み込んだ年間スケジュールを年初に提示し、職場で共有するスタイルが定着している。このため、休暇の取得を前提にした働き方や仕事の調整が図られるという。一方、職場の空気を読んで休む人や万一に備えて有休を確保しておきたい人が多い日本の場合、長期休暇のプランを立てにくく、どうしてもコマ切れ休暇になるというわけだ。大島さんは言う。
「日本の場合、同僚や上司に迷惑をかけたくないという意識も強く、休暇は周囲に合わせて取る人が多いのが特徴です。このため、まとまった休みは盆や年末年始の時期に集中するので混雑を回避できず、休暇を満喫する上でも経済的にも負担が大きくなります」
若手に強い罪悪感
休暇中の満足度が低ければ、仕事にもマイナスに作用し、休暇を取ることにもポジティブになりにくい。
キャリアに関する相談サービスを手がけるライボ(東京都)の調査機関「Job総研」が日本経済新聞と連携して8月に実施した調査結果によると、休暇取得のタイミングは40.6%が「周りに合わせる」と回答。合わせる相手については、「同僚」(52.6%)、「上司」(48.8%)、「先輩」(35.8%)が多かった。
また、4割近くが休むことに「罪悪感がある」と回答。年代別では20代が44.3%で最も多かった。なぜ、若手の罪悪感が強いのか。この調査結果を都内の企業に勤務する50代の人事担当者に告げると、「特に違和感はない」という感想が返ってきた。
「今の若手社員は風邪などで体調が良くない時は、これ以上は仕事しちゃいけないと考えて唐突にブレーキを踏んで休む傾向があります。そういう休み方をすると、周囲に迷惑をかけてしまう自覚もあるでしょうから、罪悪感がわきやすいのだと思います」