1日3時間しか働けない

 医療的ケアの必要な我が家の17歳の長女も、現在、まさにこの壁にぶつかっています。現在、長女は、平日は朝7時30分に家を出て、7時45分頃に特別支援学校のスクールバスに乗って登校し、下校後には放課後等デイサービスを利用して午後5時頃にデイの送迎車に乗って自宅へ帰ってきます。私は非常勤で県の教育委員会の仕事をしているため、スクールバスによる送迎や放課後等デイサービスのおかげで、午前9時から午後4時45分までの勤務に対応できますが、卒業後の長女の受け入れ先はまだ決まっていません。いろいろと問い合わせていますが、受け入れ可能な事業所も送迎の空きはなく、通所は大半が午前10時頃から午後3時頃までになるため、片道30分の送迎時間を入れると、1日3時間程度しか時間をつくることができなくなります。

 また、在宅介護の精神的・身体的負担軽減のために利用している短期入院の「レスパイト」先の大学病院も小児科の管轄のため、18歳以降の利用ができません。長女は夜間に人工呼吸器が必要なためさらに受け入れ先は減ってしまい、現状では自宅から車で2時間近くかかる国立病院が最も近い場所となりそうです。もともとの短期入院の受け入れ数が小児科よりずっと少ないため、どのくらいの頻度で利用できるのかも不透明であり、長女の卒業後の新生活の組み立てを考えると不安になることもあります。

両親も高齢になり頼れない

 双子の次女も高1の長男も卒業後の進路が少しずつ定まり、「自立」という言葉が見え始めていますが、長女は赤ちゃんの頃からほぼ変わらず、生活すべてにおいて介助が必要です。ひとりで留守番をすることもできません。

 子どもが大きくなれば当然両親も年を重ね、さらに長年育児に協力してくれていた祖父母も頼ることが難しい年齢になります。私の両親もほんの数年前までは私と同じように長女のケアを何でもしてくれていましたが、最近では車の運転や長女を抱っこすることや入浴介助など、さまざまなことが難しくなってきました。

 我が家は夫がほぼ無休で働き、不在がちのため、サービスに頼らなければ生活が成り立ちません。それでもすぐに生活介護の事業所が増えるわけでもなく、本当にどうすれば良いのか……と、ソーシャルワーカーとして相談支援をしている立場でありながらも、自分の家庭のことで大きな壁にぶつかっています。今後、この18歳の壁問題をどう整えていくことができるのかも、この連載で書いていきたいと思っています。

 ※AERAオンライン限定記事

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