「基礎は簡単だと軽視して、難しい問題をやりたがる人がいます。しかし、基礎をきちんと理解することは、本当はとても難しいこと。基礎が固まっていないと初見に映るような問題が出された時に、思考が働かなくなります。実はここが合否の分かれ目になることがあります。入試では問題集とまったく同じ問題が出ることはほぼありませんから。各教科の原理・原則を大事にしながら、勉強を進めていくことが肝要です」(村田さん)

「高層ビルは、不安定な土台の上に建てたら、いつか必ず崩れます。受験も同じ。何より基礎固めが重要です。基礎力は繰り返し反復することで向上するものなので、毎日の復習を確実に。問題の解きっぱなしは論外です。正解したかどうかではなく、どんな形で出題されても応用できるように、原理原則を理解するまで消化しておくことが大切なのです。余裕のある夏頃に、ワンランク上の問題に挑戦するのもおすすめです。理解不足な箇所がよくわかりますよ」(長原さん)

【5】科目勉強の配分

○受かる子:苦手科目にこそ時間をかける

×受からない子:得意科目の比重が大きすぎる

週刊朝日ムック『医学部に入る2024』より

医学部受験で一番きついのは、全体の要求点が高いゆえに、不得意科目から逃げられないところです。受からない子は得意科目をより伸ばすために時間をかけがちですが、それよりは、苦手な科目の最低ラインをどこまで上げられるかのほうが大切です。調子のいいときに取った最高得点を基準にして安心していてはいけません。大切なのは、調子の悪かったときの得点から何を学ぶかです。いかに失点を防ぐかを考えるようにしてください。そこで粘り強く踏ん張れる子が、受かりやすいといえます」(長原さん)

「医学部入試は、全科目まんべんなく得点を積み上げていく必要があり、そこが大変なところです。総合点での勝負になるので、『穴』をどれだけなくすかがカギとなります。得意科目はより確実に、高みを目指して仕上げていきながらも、苦手科目から逃げず、しっかりと向き合っていくことが大切です。そして、やさしい標準問題はミスがないようにし、絶対に落とさないようにすること。1 点を積み上げていく努力を継続し、苦手を克服していくことが勝負の分かれ目となります」(村田さん)

(取材・文/石村紀子)

※週刊朝日ムック『医学部に入る2024』より

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