鈴木涼美さん

 作家・鈴木涼美さんの連載「涼美ネエサンの(特に役に立たない)オンナのお悩み道場」。本日お越しいただいた、悩めるオンナは……。

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Q. 【vol.3】転職と妊娠のタイミングを後悔し、今後の生きる指針を模索しているワタシ(20代女性/ハンドルネーム「まゆ」)

 転職してすぐ妊娠がわかり、前職で知り合って付き合っていた彼氏と結婚しました。転職したてで育休手当が出ないことと、元々公務員だったことから、仕事を変えたタイミング、妊娠したタイミングを後悔する毎日です。夫は私の前職と同じ公務員。義母には完全に見下されているし、夫も俺は仕事が大変、と育児は可愛がりたい時に可愛がる程度。家事はほとんど私です。ちなみに、経済的に余裕がなく、私もバイトをしています。子どもはすごくすごく可愛いですが、前職への未練もあり、今後どのように生きたらいいかを模索中です。涼美さんのように素敵な女性になりたいです。今後の生きる指針を教えてください。

A. 羨ましがってくるうざい独身も時には使いよう。

 私には子どもも連れ合いもいないので、可愛い赤ちゃんを抱いている人や夫婦で出かけている人と会うと、心から「羨ましい! いいな!」と声が漏れてしまいます。育児の睡眠不足や家庭内の男女不均衡、限られた体力での仕事や家族付き合い、時間的な不自由などと日夜闘って生きている人からすれば、この苦労が暇な独身にわかってたまるかという感じだと思いますし、実際に閉じられた空間で子どもと向き合った経験も、自分の選び取った家族に自由を制限される経験もないので、わからないというのはその通りだと思います。

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鈴木涼美

鈴木涼美

1983年、東京都生まれ。慶應義塾大学在学中にAV女優としてデビューし、キャバクラなどで働きつつ、東京大学大学院修士課程を修了。日本経済新聞社で5年半勤務した後、フリーの文筆家に転身。恋愛コラムやエッセイなど活躍の幅を広げる中、小説第一作の『ギフテッド』、第二作の『グレイスレス』は、芥川賞候補に選出された。著書に、『身体を売ったらサヨウナラ 夜のオネエサンの愛と幸福論』『非・絶滅男女図鑑 男はホントに話を聞かないし、女も頑固に地図は読まない』など。近著は、源氏物語を題材にした小説『YUKARI』

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一人荒野をさまよう恐怖