2021年の宏池会の政治資金パーティー。中央左が岸田首相=東京都港区のホテル
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 自民党の5派閥の政治団体が資金集めのパーティー収入計約4千万円を政治資金収支報告書に記載していなかった問題は、どこまで“闇”が明らかになるのか。政治資金規正法違反の疑いがあるとして告発状が出され、国会でも追及されている岸田文雄首相は、岸田派の「記載漏れ」を認め、他の派閥についても修正する方針と答弁した。しかし現在、東京地検特捜部が自民党の5派閥の担当者らに事情聴取を進めている。

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 また、11月24日に公表された最新の収支報告書でも、3派閥について記載されていない疑いがあることが明らかになった。「裏金づくり」との指摘が尽きないが、特捜部はどこまで踏み込めるのか。

 自民党の安倍派の幹部を直撃すると、

「検察はそこまで突っ込んでくるかという感じですよ。うちも担当者が何人も呼ばれて話を聞かれています。岸田首相もこの問題が大きくなれば頭が痛いな……」

 と天を仰いだ。

清和研が1900万円

 告発状は、神戸学院大の上脇博之教授が、各派閥の政治団体ごとに政治資金規正法違反(不記載・虚偽記入)の疑いがあるとして、昨年11月~今年10月にかけて東京地検特捜部に提出した。

 規正法は、1回のパーティーで20万円を超えるパーティー券を購入した個人や企業などの名前、金額を収支報告書に記載するよう定めている。今回、告発の対象となったのは、2018~21年に不記載だった約4千万円分について。

 各派閥の内訳は、清和政策研究会(安倍派)が約1900万円、志帥会(二階派)が約900万円、平成研究会(茂木派)が約600万円、志公会(麻生派)が約400万円、宏池政策研究会(岸田派)が約200万円。

 11月24日の公表分で支出と収入の不一致が見つかった3派閥は、安倍派、二階派、麻生派。支出側に記載があるのに、収入側には不記載などのケースだった。

 それぞれの派閥では年に1度、慣例のように政治資金パーティーを開いている。

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