岸田派の関係者によると、
「台帳、リストがあって、毎年この人は何枚、この会社は何枚とおおよそ買ってくれる枚数がわかり、所属の議員を通じてパーティー券の枚数に応じた入金があります。ただ、大口の企業などは派閥の会長や有力議員が直接やります。その場合は何百万円という大きな金額になります」
という。同派の国会議員は、
「1年生議員でも50枚といった割り当てがあります。やはり最低それくらいをクリアしないといけないので、必死で売ります。ノルマが達成できないと『そんな枚数も売れないのか』となり、政治家としての“出世”にもかかわります。以前、私があと10枚ほどでノルマに届くというときに、先輩議員が『大丈夫なのか』と声をかけてくれて、その紹介でなんとか達成できたことがありました」
と振り返る。
パソコンで登録し、パーティー券の発送先を印刷して銀行口座の入出金を管理しており、パーティー券を相手先に持参する場合も枚数を把握しているという。
銀行口座に入金があると、それがすなわち売り上げとなり、それを収支報告書に記載すれば何ら問題はない。
しかしそこには「裏技」があるという。
「昔からどの派閥もやっている」
「パーティー券を現金で購入するケースがあります。パーティー券は1枚2万円が相場で、『現金で』というところは10枚くらいは買ってくれる。それで20万円ですよね。今度はその関連会社もやってきて10枚お願いしますと。そうなれば40万円の現金が手元に残ります。これをパソコンには入力せず、記載もしなければ裏金化するのです。昔からどの派閥でもやっている手法ですね」
と話すのは、かつて自民党で20年以上、公設秘書を務めたAさんだ。
「古い話ですが」と断りながら、Aさんは派閥のパーティーの実態をこう語る。