ヤクルトはファミリー球団と呼ばれている。チーム内での厳しい上下関係は存在せず気を使う必要もない。結果が出なくても巨人などと異なり過度な批判にさらされることもない。選手の事情を鑑みた契約を提示してくれることも多く、現役を最後まで全うして球団職員などのセカンドキャリアにも就ける。

「かつてのオーナーだった松園尚巳氏は『巨人には勝たなくても良い』と発言したこともあった。のんびりした雰囲気は変わらずヤクルトの個性になっている。近年は観客動員、グッズ収入が絶好調、親会社のヤクルト本社も業績好調。永久就職に最適な超優良企業(球団)と言える」(スポーツマーケティング会社関係者)

 以前は空席が目立った神宮球場だがチケット販売の専門家を招聘。ファンクラブ『Swallows CREW(スワローズクルー)』の成功などで人気球団に変貌を遂げ、グッズ売り上げは右肩上がり。親会社ヤクルトの健康飲料も世界的に売れている。チームを取り巻く環境は非常にポジティブなものが多い。

「資金力に不安がないため生え抜き選手を中心に好条件での長期契約を結ぶようになった。結果に関係なく高待遇でプレーできるのは選手にとって大きな魅力。また東京のど真ん中にある球団のブランド力も強い。良い選手も多いので噛み合った年には優勝に絡める。良いことだらけのチーム」(スポーツマーケティング会社関係者)

 昨年は三冠王に輝いた村上宗隆がオフに3年18億円の超大型契約を結んだ。それ以前にも2020年オフには国内FA権を取得した山田哲人、小川泰弘、石山泰稚と複数年契約を結んでいる。田口に関しても詳細はこれから発表されるが、3年総額5億円以上の好条件提示は間違いない(金額は推定)。

「村上は昨年と比べると成績は低下、山田と石山に関しても期待には程遠いため批判は受けている。しかし巨人や阪神のように連日連夜バッシングにさらされることもない。ヤクルトファンは優しく常に見守ってくれる。チーム関係者、ファンの全てがファミリーの球団と感じる」(ヤクルト担当記者)

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