先発左腕で抜群の安定感を誇るという日本ハムの加藤貴之

 オリックスドラフト1位で入団したが、その歩みは順風満帆ではない。チーム事情で救援登板が多いシーズンが続き、先発で力を発揮するのは中嶋聡監督が就任した21年以降だ。通算成績は39勝45敗3ホールド、防御率3.85。プロ9年間で規定投球回数に到達したシーズンは一度もない。

 過去のFA選手で山崎福に成績が近い選手を振り返ると、井納翔一、野上亮磨(巨人3軍投手コーチ)がいる。井納はDeNAで14年に11勝をマーク。イニングイーターとして定評があり、在籍8年間で50勝60敗1セーブ10ホールドを記録した。20年オフに巨人にFA移籍したが、2年間で1勝1敗と結果を残せず、22年オフに戦力構想から外れて退団。12球団合同トライアウトに参加したが、獲得に名乗りを現れる球団はなく、現役引退を決断した。野上は西武で2度の2ケタ勝利をマーク。17年に自己最多タイの11勝を挙げ、同年オフに巨人にFA移籍したが、在籍4年間で5勝7敗2セーブ8ホールドと思うような結果を残せず、21年に右肩痛を発症。同年限りで現役引退した。

中嶋聡監督の就任以降、山崎福也が先発で力を発揮するように

「井納、野上に限らずFAで移籍した投手が新天地で活躍するケースは過去のケースを調べても少ない。即戦力として実力以上のパフォーマンスを求められるが、先発で結果を出せずに救援に回されて輝きを失ってしまう。FA補強はメリットだけではありません。獲得した選手は優先的に起用するので、生え抜きの選手たちの出場機会が奪われてしまう」(セリーグの編成担当)

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地元の西武は獲得に動いていない