FAは地元球団に移籍するパターンがある。昨オフに西武からオリックスに移籍した大阪出身の森友哉、オリックスから日本ハムに移籍した北海道出身の伏見寅威が当てはまる。今オフに広島からFA宣言した西川龍馬は大阪出身でオリックス移籍が発表された。

　山崎福は埼玉県所沢市出身。熾烈な争奪戦が繰り広げられているが、地元の西武は獲得に動いていない。投手陣の陣容を見れば納得できる。先発ローテーションは高橋光成、平良海馬、今井達也、松本航、隅田知一郎と能力のある投手がズラリ。與座海人、渡邉勇太朗が控え、「大学№1左腕」の呼び声高いドラフト1位左腕・武内夏暉（国学院大）を3球団競合の末に獲得した。チームは今季5位に低迷したが、チーム防御率2.93はリーグ3連覇を飾ったオリックスの2.73に次ぐリーグ2位。先発陣は現有戦力で戦うことが十分に可能で、山崎福の補強に乗り出す必要はないと判断したのだろう。

　FAで獲得に動く球団のカラーは全く異なる。条件面、家族と暮らす環境、チームが描くビジョン、雰囲気、どの監督の下でプレーしたいか…何を重視するかで結論が変わってくる。野球人生の岐路に立たされた山崎福はどのような決断を下すだろうか。

（今川秀悟）

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