来季から巨人を指揮する阿部慎之助新監督

 巨人の指揮官は来シーズンから阿部慎之助新監督が務めるが、捕手の序列はどうなるのだろうか……。自身が捕手出身ということもあり同ポジションの起用法が注目されている。

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 今季は近年レギュラー捕手を務める大城卓三が主にマスクをかぶり、岸田行倫、小林誠司、若手の山瀬慎之助がそれに続いて試合に出場した。

「原辰徳前監督は攻撃力重視で先制逃げ切りが好み。NPBの捕手では打力がトップクラスの大城を起用するのは必然だった。岸田への評価も高まっているものの、今のところ大城との差は大きいと見られている」(巨人担当記者)

 各選手の今年の打撃成績を見ると、大城は134試合の出場で打率.281(424打数119安打)、16本塁打、55打点と持ち味の打撃力を披露。続く存在と言われる岸田は46試合で打率.250(68打数17安打)、2本塁打、3打点と限られた出場機会の中で存在感を示した。

 小林と山瀬に関してはともに打席数が10に満たず、打率も1割台。若手の山瀬は二軍で打撃力が向上しているため今後の成長が期待されるが、来季が35歳となる小林は完全に守備専門のバックアップとして定着してしまった感は強い。

「大城、岸田、小林、山瀬それぞれ個々で持ってる良いものがあるのでその色を出していって欲しい」(10月21日、日本テレビ『Going!Sports&News』)と阿部監督は現時点では横一線を強調する。しかし得点力を高めるためにも、自身が現役時代に武器とした打撃力を捕手に求めるのは間違いなさそう。今季の盗塁阻止率がリーグ2位となるなど守備力も決して悪くない大城はさらに正捕手という地位を固めそうだ。

「捕手に打力が求められるようになっている。パ・リーグ3連覇のオリックスは若月健矢の打力向上がチーム成績に直結。昨オフにはリーグ屈指の強打者である捕手の森友哉をFAで獲得し、併用することで攻撃力がさらに上がった。セ・リーグでも広島は坂倉将吾の打力がチームの躍進(リーグ2位)の原動力になった」(在京球団編成担当者)

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“打てる捕手”が勝てるチームには重要?