若月は入団当初から守備型の捕手という印象だったが、ここ数年で打撃力が向上。リーグ連覇を果たした2022年には打率.281(171打数48安打)、4本塁打、14打点という成績を残している。最近は他の捕手との併用となり出場試合数は減っているが、守備だけでなく打撃でしっかりと仕事をできていることで評価は高まっている。
また、坂倉はもともと打撃力が高く、それを生かすために一塁手や三塁手としても試合に出場していたが、今季から捕手に専念。守備での負担が増えたこともあり、今年は若干打撃の成績は落ちたが、それでも120試合で打率.266(395打数105安打)、12本塁打、44打点とバッティングでもチームに貢献した。
「オリックスとは捕手の打撃力で差がついた感じもする。甲斐拓也(ソフトバンク)は甲斐キャノンと呼ばれる強肩とブロッキングを武器に素晴らしい守備をするが、打撃では意外性の長打力はあるが確実性はかなり低い」(ソフトバンク関係者)
今季パ・リーグ3連覇を果たしたオリックスは捕手が打撃で貢献した一方、巨大戦力を有しながら3位に甘んじたソフトバンクは甲斐が打撃で苦しんだ。ここ3シーズンは通算で打率が2割を少し超える程度だ。昨オフにはFAで嶺井博希をDeNAから獲得したが、甲斐と同じく守備型であり、打撃の面ではサポートはできなかった。
「阿部監督は捕手が攻守でチームの主軸を担うことの大変さを知っている。その辺の対策をしながら大城を中心に起用するでしょう」(巨人担当記者)
阿部監督は捕手でありながら、プロ通算19年間で2132安打、406本塁打、1285打点と打者としても超一流の成績をマーク。2012年には打率(.340)と打点(104)の二冠王に輝いた実績を持つ。また、捕手としてもゴールデングラブ賞4回を誇る巨人史上に残る「打てる捕手」だった。
「阿部監督は守備での負担を減らすために一塁を守ったこともあるが捕手で試合に出ることを追い求めた。球団もその思いに応え守備力の高いバックアップ捕手を準備、鶴岡一成や相川亮二などを他球団から補強した。岸田、小林、山瀬は大城の後方支援がメインになるでしょう」(在京球団編成担当者)