外務省の回答は……
回答には、便宜供与については「外務省でも確認できると思う」とあったので、外務省にも同様にいくつかの質問を送ったが、
「外務省が便宜供与として実施するものは、送迎、宿舎の手配のほか、訪問先への同行・案内、現地事情説明、アポイントメントの取付け等があり、全て公的な用務との関係で行われるものです」
「本件については、自民党からの依頼に基づき、幼児教育・子育て関連施策の現状について視察・研修を行うという今回の自民党女性局の訪仏の目的の範囲内で、視察や面会のアポイントメントの取付け等の便宜の供与を行ったものです。市内観光については、便宜の供与は行っていません」
「それ以上の詳細については、回答を差し控えさせていただきます」
と大半は便宜供与についての説明をしているだけで、質問への回答はほぼなかった。
ちなみに、松川氏からは約3ページに渡っての回答を送ってもらっている。
本部と地方組織の連携強化が目的
松川氏の回答に戻る。
松川氏は1日しか研修に参加していないのに、Xにはあたかも2日間いたかのような書き方をしたことについては、
「研修会全体のスケジュールについて説明したものであり、私の行動について発信したものではありません」
とのことだった。しかし、松川氏個人のXに書かれていたものであり、読んだ人は普通に「松川氏の行動」と思うのではないだろうか?
いずれにしても、松川氏の回答などからはっきりしたことは、自民党としては、女性局の海外研修に、党務としての重きをそこまで置いてはいないということだ。国会議員は4人、地方議員や地方の会社経営者、子どもまで30人以上が参加する「研修」ならば当然だろう。
自民党の幹部らも“研修旅行”ということは百も承知だからこそ、女性局長というフランス研修団のトップの松川氏に対し、次期衆院選の候補予定者の面接日程を優先させたのだろう。松川氏自身も回答で記しているが、5年に1回の海外研修は「本部と地方組織との連携の強化」が最初の目的なのだ。