まず、Xに書いた「2日目」(26日)の研修に松川氏は参加していない。
それなのにXには、あたかも全日程に参加したかのように読める内容で書かれている。自身は1日だけの参加だった、とは記していない。
また、松川氏が、リュクサンブール宮殿の見学について、「日本でいえば国会議事堂に該当することをご理解頂きたい」と書いたのは、おそらく、ただの見学ではなく研修の一環、ということを言いたかったのだろう。しかし、先述した通り、宮殿見学については日程案にも「上院ツアー」と書かれている。
「ツアー」とは読んで字のごとく「旅行」だ。松川氏がXに貼り付けた、今井絵理子氏とのツーショットの写真を見ても、観光名所に来た一般客らと大きな違いはないだろう。
党員からの貴重な党費
自民党の閣僚経験者がこう話す。
「便宜供与で大使館が車を手配したのなら、松川氏と娘がともに乗っていたのでしょうか。大使館が国会議員のために手配する車は国民の税金から支出されることはいうまでもありません。党の海外研修ですから、費用は党からも出ています。それは自民党員に収めてもらっている貴重な党費です。2日間、現地で研修したと聞いていますが、松川氏は団長なのに1日しか参加していないというのもおかしなことです」
外務省の幹部だったOBにこの「公電」を確認してもらうと、
「自民党本部の職員や秘書が便宜供与される議員の車に同乗することは当然のことです。本来、便宜供与に明記する必要もない。それをわざわざ、手配する車に同乗させて、と書いてある。これは松川氏の娘にも便宜を図ってやってくれという意味だと感じます。それに公電の日付が7月21日となっていて、この時点で3日後の日程が調整中で白紙というのは考えられません。大使館がどうすればよいのかわかりませんから」
との感想を述べ、こう付け加えた。
「私が外務省にいた時は『調整中』などとはせずに、議員から希望を聞いて何かを書きました。例えば現地で政治家に会うとか、施設訪問するとか。松川氏は娘が同行していて、24日はすべて空白ならば、大使館に車と通訳を手配させて公務と称し、好きなように使っていたのか、とも疑われかねないです」