山本由伸(オリックス)、今永昇太(DeNA)、松井裕樹(楽天)、上沢直之(日本ハム)がメジャーリーグ挑戦を表明した。4人はメジャーリーグで活躍できるのか? 1995年の野茂英雄(近鉄)以来、過去29年間で海を渡った日本人メジャーリーガーは全50投手。今回の4人と「同タイプの活躍投手」の傾向を探ってみた。
【写真】「2億円」が「400万円」に急降下 球史に残る“大減俸”を味わった選手がこちら
スプリットが武器の右腕先発・山本由伸に成功の予感
野茂英雄(近鉄→95年ドジャースほか)、伊良部秀輝(ロッテ→97年ヤンキースほか)が2ケタ勝利を挙げたとき、「体が大きくてフォークを武器にする日本人投手はメジャーで成功する」という漠然とした概念があった。
黒田博樹(広島→2008年ドジャース、ヤンキース)はメジャーでは「バックドア」「フロントドア」と呼ばれるスライダーやシュートを駆使したが、スプリットも操った。岩隈久志(楽天→12年マリナーズ)、田中将大(楽天→14年ヤンキース)もスプリットを決め球で多投した。
メジャーの対戦であまり使われないスプリットやフォークを投球の組み立てに入れ込むことは、日本人メジャー投手の成功の必須条件と言える。今年の千賀滉大(ソフトバンク→23年メッツ)の「お化けフォーク」はその最たる例である。