高橋建(広島→09年メッツ)はNPB15年間で通算70勝しているが、メジャーでは1勝も挙げられなかった。
高橋尚成(巨人→10年メッツほか)は、上記のように1年目に10勝したが、2年目からは中継ぎ降格で、メジャー4年間で計14勝。成功と言えるかは微妙だ。
和田毅(ソフトバンク→14年カブス)は11年にNPBで16勝、アメリカで左ヒジ手術もあったが、アメリカ計4年間で計5勝、帰国した16年に15勝(最多勝)なのだから、メジャーの野球に合う投手とそうでない投手がいる。
菊池雄星(西武→19年マリナーズ)は、今季ブルージェイズで初の2ケタ勝利。メジャー5年間で計32勝は、こちらも成功と言えるかは微妙だ。
こう考えると左腕先発投手の成功は過去、石井しかいない。石井は渡米前年、「奪三振マシン」だったが、一方で9イニング平均与四球4.22個と制球難だった。今永昇太は今年奪三振王で、9イニング平均与四球1.46個と抜群のコントロールを誇る。WBC決勝のアメリカ戦でスター軍団を相手に先発も任されている(2回をソロ本塁打による1失点)。
日本の先発ローテーションは6人で回し、試合がない月曜日を挟み「中6日」だが、メジャーは5人で回す「中4日」だ。これに対応して、今永が「左腕先発の活躍は微妙」のジンクスを破れるか、注目だ。
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日米通算250セーブ以上の「名球会」組で言えば、NPBで5度の「最優秀救援」のタイトルに輝いた佐々木主浩(横浜→00年マリナーズ)は、メジャーでも3年連続35セーブ以上とさすがのところを見せつけた。
同じく「名球会」投手で、NPBで4度の「最優秀救援」の高津臣吾(ヤクルト→04年ホワイトソックス、メッツ)は、メジャー2年間でシーズン20セーブには届かなかった。