中日は13年以降の11年間でBクラスが10度。CS進出したのは3位に入った20年のみだ。13年からのドラフトをたどると、主力として現在稼働している野手は木下拓哉、岡林勇希のみで阪神と対照的だ。二遊間のレギュラーを務めていた阿部寿樹、京田陽太はトレードで移籍し、18年ドラフト1位の根尾昂は野手で入団したが、昨年途中に投手に転向した。内野は全てのポジションでレギュラーが固まっていない。スポーツ紙のアマチュア野球担当は、中日のドラフト戦略で気になる点があるという。
「俊足巧打を持ち味にする似たタイプの選手が多いんですよね。『この選手が上位指名?』と感じるケースが少なくない。和製大砲の指名が少ないことも気になります。高卒の長距離砲は19年ドラフト1位の石川昂弥ぐらいじゃないですかね。本拠地が広いバンテリンドームで本塁打が出にくいですし、長距離砲は育てるのが難しいことは間違いないですが、粗削りでもパンチ力がある選手は相手からすると怖い。立浪和義監督はその点に危機感を抱いていたと思います。21年ドラフトでブライト健太、鵜飼航丞を指名したことは評価できる。即戦力とはいかず少し時間がかかるかもしれませんが、石川昂、細川成也を含めて彼らがチームの核にならないと、上位浮上は望めない」
今から20年近く前の00年代。巨人、阪神、中日の三つ巴で毎年のように優勝争いを繰り広げていた。当時、巨人・原辰徳監督、阪神・岡田監督、中日・落合博満監督と、3人の個性あふれる名将たちが心理戦を繰り広げ、直接対決は独特の緊張感に満ちていた。