西武・山川穂高のFA権行使と並ぶ衝撃かもしれない。巨人の中田翔が複数年契約の解除を申し入れて球団が合意。自由契約となった。今後は他球団での現役続行を目指す。
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昨オフに推定年俸3億円で3年契約を結んでいたが、球団は1年ごとに中田が契約を終了できる選択権(オプトアウト)を付与していた。好待遇にもかかわらず、移籍を決断したのは自身の置かれた立場が大きく影響している。昨年にルーキーの門脇誠が遊撃の定位置をつかみ、長年遊撃を守っていた坂本勇人が三塁へコンバート。三塁を守っていた岡本和真が一塁に回った。はじき出される形になったのが一塁を本職とする中田だった。阿部慎之助新監督は来季も一塁・岡本、三塁・坂本、遊撃・門脇をレギュラーで固定することを明言。本職の一塁で出場機会が激減することが予想された中田が、今後の野球人生を見つめ直して退団を決断したことは決して不思議ではない。
当初はFA権を行使するか注目されたが、高額な年俸に加えてBランクで人的補償が発生するため、獲得のハードルが高い。そこで、3年契約を結んでいたオプトアウトを球団側に申し入れた。自由契約となり年俸が大幅ダウンとなることは必至だが、FA補強に比べて他球団は獲得しやすくなった。
中田は日本ハム在籍時の21年にチームメイトへの暴力行為が発覚し、一軍、二軍全ての試合の出場停止処分を科せられた。野球人生の危機に立たされ、巨人に無償トレードで電撃入団した経緯がある。今回自身の希望で自由契約が決まった後、「野球を続けるチャンスを与えてくださった読売巨人軍の皆様には、感謝してもしきれません。そして、ファンの皆様、チームメイト、監督、コーチ、球団スタッフの皆様、全てが最高の環境でプレーさせていただけたこと、本当に有難うございました」と球団公式サイトで発表したコメントは偽らざる気持ちだろう。