「財務副大臣が税金滞納と報じられ、派閥内でも『すぐに自ら辞表を』と説得に動いたのですが、神田氏は『いや続けたい』『クビになったような印象で嫌だ』『滞納したが、その後は支払っているから問題ない』などと抵抗を続け、副大臣を続けると言い張ったんです。まわりからは『粘ることか!』と批判も出るなか、ようやく辞めると言ったのは更迭された日でした。岸田政権には大きなマイナスで、派閥の信用もガタ落ちです」
不機嫌な岸田首相
ある自民党幹部は、
「去年は大臣のスキャンダルで次々と更迭が続き、今年は副大臣と政務官。支持率が落ちこんでいるときなだけにダメージが2倍、3倍と増幅される。副大臣と政務官については実質的には官房長官に任せている。岸田首相も『なんでこんなに続くんだ』と不機嫌な様子でした。これで支持率の回復は見込めず、厳しくなる」
と危機感を打ち明けた。
自民党の政務調査役を長く務めた政治評論家の田村重信氏は、
「政務三役の2人が神田氏より先に更迭に追い込まれています。しかし、神田氏が税金滞納で問題になって辞めたというのは、経済対策や減税を打ち出している岸田首相にとっては、前の2人よりずっと重くのしかかり、ますます求心力を失いかねないです。こうも辞任が続くと、“岸田降ろし”の端緒になりかねない」
と話す。
最初の「辞任ドミノ」の時も「任命責任を重く感じている」と発言していた岸田首相。具体的な“責任”の取り方を見せてほしいものだ。
(AERA dot.編集部・今西憲之)