岸田政権が発足してから2年と約1カ月。早くも2回目の「辞任ドミノ」が起きている。今年9月の内閣改造で、岸田文雄首相が「適材適所」の人事で決めた副大臣・政務官が立て続けに3人辞任した。不倫、公職選挙法違反疑惑、税金滞納と差し押さえ……。国会議員の規範意識など関係ないかのごとく。
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1回目の辞任ドミノは昨秋に起きた。臨時国会で世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との接点などが次々と浮上、他にも失言や「政治とカネ」の問題などで、昨年末までに4閣僚が辞めた。
それから1年近くが経ち、女性との不倫が報じられた山田太郎・前文部科学兼復興政務官が辞任。続いて、柿沢未途・前法務政務官が地元の東京都江東区長選の候補者に、公職選挙法で禁じられている、有料ネットの広告利用を勧めていたことがわかり、辞任した。
柿沢氏は、江東区を地盤とする東京15区の選出。今年4月の区長選では、柿沢氏の後援者の多くが初当選した木村弥生氏を支えた。
買収工作の疑惑も
木村氏は当初、スタッフがミスで広告を出した、という趣旨の説明をしていた。しかし、10月24日、東京地検特捜部は区役所の区長室、木村氏の自宅、実家、事務所などに公職選挙法違反の疑いで家宅捜索に入るとともに、木村氏にも任意で事情聴取をしていた。
木村氏は、自身が有料広告を出し、クレジットカードで広告費を支払ったこと、有料広告は柿沢氏に提案されて掲載したことを認め、10月26日の記者会見で辞意を表明した。
ここから“主役”は柿沢氏に移る。31日、柿沢氏は法務副大臣を辞職した。そして、柿沢氏の後援者、地元区議らが次々と特捜部の呼び出しを受けるようになった。というのも、柿沢氏が、区長選前に現金を配って「買収」工作をしていた疑惑が浮上したのだ。